受け入れ難きを受け入れる方法

人間、誰しも長所短所はあります。
自分自身でその長所短所をなるべく客観的に捉え自覚することにより、
「相手にどう思われるか」を知り、だから「どうするべきか」という
自分が取るべき行動や言動も見えてきます。
そういった事も、現在看護師の妻との長い付き合いの中で学んできました。

 

妻が起きてこなくても怒らない

低血圧という訳ではないようですが、妻は昔から「朝」が弱いです。
というか、一度寝てると「一発でスッと起きる」というのが出来ない人です。
実家暮らしの若いころ、デートで休日に車で彼女(妻)のマンションの下まで迎えに行くと、
必ずと言っていいほど、30分~1時間は待たされました。
何度かケータイから「着いたよ」と電話を入れますが、都度寝起きみたいな声です。

最初の頃は「約束を守らない、いいかげんな人だ」「軽視されてるのか?」などと
腹を立てたり、疑心暗鬼になったりしましたが、普段の彼女から感じる人間性では、
決してそんな人だという印象は全くありません。
むしろ筋を通しきっちりしている。

そのうち「単に起きるのがめちゃくちゃ苦手な人」なだけ、という事が分かりました。

自分自身が睡眠時間の長短に関わらずサクッと目覚め、すぐ起きれる方なので、
最初はそんな彼女が理解できませんでした。

 

自分基準で判断しない

僕は特に若いころ、短気(大阪で言うイラチ)で、すぐになぜ?どうして?と
納得いかない事があるとイライラするような人間でした。
ただそういったイライラを相手にぶつけるばかりだと、いわずもがな衝突します。
彼女の場合でも同じで、よくケンカをしてました。
というか、思い返してみると一方的にこちらが怒り、不機嫌になる
という場合が多かったと思います。
朝の件でも同じで、やっと起きて車に乗っても、僕はむっつり押し黙っている。
そんな時間がお互いに楽しいはずもなく、僕自身もしんどいです。

なのである時、どうにか解決しようと色々と考えた所、
結局は以下2つの方法しかないと結論付けました。

〇相手を変えさせる
→自分の納得いく行動を、相手にとってもらうようにするという事です。
そのためには深く話し合う必要があります。
ただこれは、変えられるところはとっくに変わっている場合が多く、
「変えようとしてもなかなか出来ない」から問題として残っている訳で、
容易ではないことに気づきました。

〇自分が変わる
→これがなかなか難しい。やはりどこかで“自我”が邪魔します。
結果、どうしても「折れる」「しぶしぶ合わせる」といったネガティブな心理に
なりやすく、それだと我慢しているだけで、自分が変わったとは言えません。
これじゃ意味がないと思い、以下2点を意識しました。
・相手の良い部分を重視する
→受け入れ難い部分はひとまず置いといて、今までかけてもらった優しい言葉、行動
思いやり。または自分にない相手の尊敬する部分など、相手の良い部分を見つめなおします。
・自分を見つめなおす
→相手を見つめなおした後、自分も見つめなおします。「相手に不満ばかりぶつけているが
自分はどうか?」「人にエラそうな事言えるほど自分は完璧か?」など。
そうすると、完璧どころか欠陥だらけだと、改めて自覚しました。

人に言う前にまず自分やろ、と思い直しました。
結果、待たされても「疲れてるかもしれないし、ゆっくりさせてあげよう」などと
気持ちにゆとりというか、変化が徐々に現れました。

 

まとめ

今でも妻は相変わらず「起きるの苦手」です。(仕事の時はなんとか起きます。)
もちろん僕としては“望むべき事”ではありません。
せっかく子供たちとの休みが合う日などはもったいないですし、
朝からバタバタする時など「はよ起きて手伝ってくれよ・・」と思う事もあります。

ただ、今は今で妻は過酷な“看護師”としての仕事を日々勤めているわけで、
妻の事を考えると「休みの日は出来るだけゆっくりして欲しい」と心から思っています。
もっと大きな範囲で言うと、妻が幸せだと思ってくれることが僕の幸せだ、と
思えるまでになりました。

そう思えるのは、若いころの自問自答から得た、受け入れ難きを受け入れる方法
のおかげかもしれません。