“1日1日が大事”な訳

先日、半年に1回の妻の造影CTによる「ガン検診」で、
血液含む全ての結果において所見なしとの診断結果でした。

妻が子宮頸がんに罹患し、2020年7月末に手術をしてから
約2年半。

多くのガンは再発転移なし5年で寛解とよく言われます。
主治医からも「ひとまずあと2年半ですね。」「今後検査の間隔も少し延ばしましょうか」
という言葉をもらいました。

正直言ってこの2年半、1日も妻のガンのことを忘れた事はありません。
毎日思い悩んでいる訳ではありませんが、
いつも頭の片隅に「不安」や「落ち着かない要因」という形であります。

いや、実際には今後の2年半はもちろん、一生再発も転移もなく
ガン以外の理由でその生涯を終えるかもしれませんし、
僕はそう願い、信じています。

でもやっぱりガンです。
手術が成功したから、5年経ったから、というだけで
次の日からガンの事などキレイさっぱり忘れてしまう
などという人はいないでしょう。

僕たち夫婦は「とりあえずの区切り」として術後5年の2025年7月までの
後2年半を毎日確実にカウントダウンしていくかと思います。
それは安心へのカウントダウンと言い換えられるでしょう。

また、この世のガン患者やそのご家族、
さらにガン以外の病気で辛い思いをしている人々、
多くの人が「時間」や「手術」や「薬」「退院」「ドナー」といった
それぞれ何かしら未来の希望を見据えて毎日を過ごしているのだと思います。

ガンは一つの区切り、目安として「5年寛解」という一般設定があるので、
希望への具体的な年月日を見据えることができます。
だから「時間なんてさっさと過ぎてくれ!」などとは思いません。
この世に生きている限り時間は全てにおいて平等であり、
この先も変わらず平等であるかぎり、毎日をしっかり生きていかないといけない
という風に思うんです。

悔いのない様に、とは違います。
「今までがあるから今がある」というか、時間は毎日の積み重ねだからです。
毎日を大事にしないということはそれが明日であれ1か月後であれ1年後であれ
未来を大事に考えていない事と同義だと思うんです。

別に「1日1膳、真面目に生きよう」とまでは思っていませんが、
やっぱりどこかで「今日も家族、自分みな無事に過ごせた」ということを
感謝する気持ちは、妻のガン以降でめちゃくちゃ芽生えましたし
その気持ちは今後もずっと持ち続けていこうと思っています。