ビートルズ強化週間~①

僕は1年に2~3週間、聴き飽きたにもかかわらず無性に“そればっかり聴きたく”なり、
“改めて調べたく”なるバンドがあります。
The Beatles ザ・ビートルズ
Steely Dan スティーリーダン
Led Zeppelin レッド・ツェッぺリン

この3つは何百回、何千回と耳にタコが出来るほど聞いているにもかかわらず、
1年ごとくらいで、熱が再焼するように無性に聞きたくなり、僕は心の中で、
「あぁ、〇〇(バンド名)週間が始まったか」とつぶやいてます。
一旦始まると、2~3週間くらいずっとそればかり聞いています。

これを20歳頃からずっと繰り返しています。

因みに上記3つ程の熱量ではありませんが、次席として
Little Feat リトル・フィート
The Band ザ・バンド
はっぴいえんど細野晴臣
これらも一定期間、気が済むまで聞きたくなる時が不意に訪れます。

そして先週から、かなり久々にビートルズ週間が僕の中で始まりました。

ビートルズの魅力

ビートルズについては、その存在の大きさからあまりにも膨大な研究書など
様々に出ており、今更あれこれ言えないのですが、
僕なりにいくつかその“魅力”を挙げてみたいと思います。

①ビートルズの活動時期
ビートルズには初期、中期、後期と呼べるような時期があり、
そのいずれでも曲調や雰囲気は違います。
なのでアルバム8年、実質10年間のその活動で一括りで曲の魅力を表すのは難しいです。

・初期はモータウンなどのブラックミュージックに影響を受けたポップミュージック、
・中期は実験性と内省性を踏まえた音楽で、アーティストとしての自覚
・後期は各メンバー間の確執から生まれた、各々独立性を主張した音楽
などとよく言われますが、その通りではあります。
でもそれは彼らの1部であり、1面でしかありません。

因みに僕の中でのアルバムによる時期の位置づけでは、以下の通りです。
プリーズ・プリーズ・ミー – Please Please Me1963
ウィズ・ザ・ビートルズ – With The Beatles1963
ハード・デイズ・ナイト – A Hard Day’s Night1964
ビートルズ・フォー・セール – Beatles For Sale1964
↑までが初期
ヘルプ! – Help!1965
↑が初中期
ラバー・ソウル – Rubber Soul1965
リボルバー – Revolver1966
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド – Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band1967
↑までが中期
マジカル・ミステリー・ツアー – Magical Mystery Tour1967年
↑が中後期
ザ・ビートルズ – The Beatles1968
アビイ・ロード – Abbey Road1969
レット・イット・ビー – Let It Be(1970年)
↑が後期
※イエローサブマリンは省いてます。

②曲の魅力
【初期】

よく黒人R&Bなどに影響された~と言われますが、それだけではありません。
ロックンロールはもちろん、古いブルースやジャズやカントリーミュージック、
ラテン、サンバなどのワールドミュージック、民謡や童謡歌、映画音楽、
またプロデューサーのジョージ・マーティンによってクラシックの要素も
加味され、その全ての良質な部分が“ロック”という大枠の中で活かされています。
要するに「多種多様」なんです。
それまでそんな多種多様な要素を盛り込んだロックバンドはなかったので、
そこがビートルズの新しかった点、だと言えると思います。
また、様々な音楽の、良いフレーズ、良いコードなどをヒントに、時にパクったりしながら、
結局あそこまでのキャッチ―な曲に昇華させるのは、やはり彼らの才能です。

例えば、ウィズザビートルズのポール作「All My Loving
この曲ではよくジョンの3連ギターがクローズアップされますが、
ポールのベースも良いのです。
いわばジャズベース奏法の、ランニングベース(ウォーキングベース)を弾いており、
それにより曲の表情が豊かになるのと同時に、グルーヴも生まれます。
ポールは親父さんがジャズマンだったことから、メンバー中最もジャズに親しんだと思われ、
後年アルバム「ホワイトアルバム」ではハニー・パイというディキシーランドジャズ調の曲も
作っています。
またランニングベースは彼のお気に入りなのか手癖なのか、
「ゲッティングベター」や「アデイインザライフ」の中間部でも部分部分で取り入れています。

ただ、初期に関してはやはりジョンの作曲の勢いがバンド全体を引っ張っている気が
個人的にはしています。
ビートルズ初期にイメージされるポップな曲は、ジョンの曲によるコーラスワークと、
胸にグッとくる転調が効いたものが多いような気がします。
例えばハードデイズナイトの「If I Fell」
この曲の転調とメロディライン、コーラスは、ある意味ジョンの「商ライター」としての
1つの完成形だと思っています。
個人的にはヘルプ収録の「You‘re Going Tou Lose That Girl」が好きです。

 

ビートルズの多様性は、彼らが何より音楽ファンで、どん欲に様々な音楽を聴き、
気になったフレーズなどを抜け目なく自作に取り込んでいった賜物だと思います。
また、デビュー前のいわゆる「ハンブルグ巡業時代」では、異国の地で
客を喜ばすためにありとあらゆる曲を演奏せねばならず、
さながら“人間ジュークボックス”にならざるを得なかった、
しかしそのおかげで様々なタイプの曲を通して、自分たちの作曲法や曲を具現化する術など
強固な音楽的素養が出来上がった、という点もあるでしょう。

 

サクッと1記事でまとめるつもりが、まだ「初期」しか終わりませんでした。
引き続き中期、後期、その他と、ビートルズの魅力を書いていきたいと思います。