“中年”新米看護師の難しさ

妻の職場の先輩が退職するとのことで、
妻が悲しがっていました。
「この私が珍しく・・」泣いてしまったようです。

妻は38歳、既婚・子持ちで看護師となり、看護学校の同期はおろか、
職場の同僚、先輩、下手すると上司まで「歳下」という状況です。

同期や先輩などは一回りも下が珍しくありません。

そんな中、冒頭の退職する先輩は、歳も近く同じく既婚・子持ち
という事もあり、何かと相談に乗ってもらったり、既婚子持ちにしか
分からない話もしていたのでしょう。
妻が泣くくらいなので、よほど職場で“寄りどころ”といていたのかが分かります。

歳をとってから看護師になる大変さ

これは妻を見ていて、話を聞いて感じます。
単に体力的な面や知識・勉強といった事だけではありません。(もちろんそれらも大変ですが)
「看護の世界しか知らない若い年下の中でイチからやっていかなければならない」
これがいかに大変で難しい事か。

21歳で看護師になりその世界でずっとやってきた人たちの中に、
30,40代で、他の職も結婚~出産~子育ても経験した人間が「新人」として入る。
どちらが良い悪いという話ではなく、価値観や常識の面で「そりゃ合わんやろ」と思います。

僕の知る妻の同期には、若いとはいえ気遣いもでき、妻の病気の折は大変心配してくれた
人間的にとても優しいと感じる子ばかりです。
でも性格の事をいってるのではなく、仕事でのコミュニケーションやマネジメントなど
総合的な人間関係の中では、人生経験がどうしても現れてきます。

例えば「看護師としての知識や経験」はあっても、それを人に伝えたり教育したり、
サポートしたりとなると、「深い知識や経験」とはまた別の話になります。
相手を見極め、その人に合った適切な言い方、教え方をしなければいけないですし、
時には相手の立場になって物事を考えなくてはいけません。

「それが全く出来ない人が多い」というのは、妻も言ってますし
色々調べても“看護師あるある”のようです。

職場の環境がそこで働く人を形作る

どんな職種でも同じだと思いますが、
1つの職場に長く居れば居るほど、その職場環境がその人を形作ります。

新卒であれば、よほど自分で色々と考え広い視野を持たないと、
「井の中の蛙」になってしまいかねません。
看護師の場合もそれは同じどころか、ある意味“閉鎖的”な部分もあり、
余計にその兆候は高いでしょう。

もちろん勤務する病院や所属する“科”により一概には言えず千差万別ですが、
まだまだ女性の比率が多い職種である上、「今までずっとこうしてきた」といった
古い慣習が平然と残る業種であることは、概ね間違いではないようです。

建築業界などもそうですが、「その業界の常識」が残る業種でずっと働いていると、
その「常識」が社会人としての自分にとって「普通」になるのは致し方ありません。

しかし、全く別の業種などの「外」から来た人間にとっては、
その「常識」に悪い意味で驚かされる場面もあるでしょう。
そして外から来た人間がその「常識」を少しでも改善し変えようとしても、
「それが普通だから」という周りの姿勢から、ジレンマに陥る。

そういった図式は用意に想像できます。

妻の話からも、この部分に悩まされている様子がよく見て取れます。
妻に「どうするつもり?」と聞くと、
「自分が後輩を指導する立場になった時、良い対応をして、良い後輩を育て
“人”から少しづつ環境を変えていくしかない」と言っていました。

傍目から見ていて、遠回りの様ですがそれしか方法はないだろうな、
と僕も思います。
またその努力を今、実際に実行している妻を誇りに思いますし、
最大限応援したいです。

 

 

 

 

看護師妻

Posted by kenbo