看護師の妻を持つ夫の本音~家事編~
毎日、精神的にも肉体的にも大変な看護師の妻。
家事も完璧にはなかなか出来ません。
そのような妻や家庭内の状況を見ての、夫としての「本音」を
“時系列”で書いてみたいと思います。
最初は納得できなかった
妻が看護師となった当初は、看護師がどれほど大変な職業かという事を、
肌感覚では僕は分かりません。
なので、「ちゃんと家事もする」「疲れていても早起きする」
といった妻の言葉をそのまま信じていました。
でも結果として現実は違いました。
妻の帰宅が遅かったり、疲れていたりで、家事が後回しになり
僕がこなさざるを得ない事がすぐに多くなってきます。
現実を知らなかった僕は、「ちゃんとするって言ってたのに・・」と
自分の負担の事ばかり考え、最初納得がいきませんでした。
僕のストレスは「夜勤に入りだした」頃ピークに
やがて妻は夜勤に入りだします。
夜勤入りの日、僕は仕事を早く切り上げ、夕食を作り、家事をこなさなければ
いけません。
それらの物理的な大変さに加え、
子ども達の宿題、行事など学校関連の確認もあります。
妻は夜勤中(というか日勤でも)は基本的に電話が出来ませんので、
何かちょっと聞こうにも、確認は取れません。
「自分では分からないことがあったらどうしよう・・」
「妻に聞かないと分からないことがあったら・・」
といった、漠然とした不安もどこかにあり、
僕はかなりストレスを感じていました。
自分ばかりで妻の事を考えていない、と気づく
ある時から徐々に、妻から「仕事の辛さ」の話を聞くようになりました。
特に“人間関係”面です。
仕事での人間関係の辛さは僕自身、身に染みて理解しているので、
妻が非常に心配になりました。
その時ふと、
「妻は僕の知らない職場でどれだけ苦労しているか」
「その苦労も考えずに彼女に不満を抱いていたのか」
という事を感じ、自分の愚かさに気付きました。
妻が大変な時は誰よりも支えてあげないといけない筈なのに、
苦労も喜びも分かち合う存在の筈なのに、
ちょっと家事の負担が増えただけで不満など思っているのか。
正直、自分をどついてやりたい気持ちになりました。
妻の病気で感じた「元気でいてくれさえすればいい」
そして妻が看護師となった一昨年2019年秋、妻に「神経鞘腫」が発覚。
首の後ろ、頸椎部分に大きな腫瘍が見つかり、手術後でないと
良性か悪性かが分からない、ということで
発覚から術後までの約2か月間、心配で心配で記憶がないほどの日々を過ごします。
「もし悪性だったら・・」どうしてもそんなネガティブな事を考えてしまい、
「もう元気でいてくれさえすれば他はなんでもいい!」と心底思いました。
9時間にも及ぶ手術は無事成功、病理検査の結果も「良性」とのことで、
何とか事なきを得たのですが、
その経験から、家事がどうとか起床が遅いとか、そんなことどうでもよくなり、
「自分(僕)でやったらええやないか」と思うと同時に、
妻に何の不満をも抱くことは無くなりました。
一難去ってまた一難
ほっと一安心の日々もつかの間、翌2020年春の婦人科検診で、
妻の「子宮頸がん」が見つかります。
ステージはⅠb。
去年の辛苦に加え、今回は最初から「がん」という事が分かっている事もあり、
妻の恐怖を想えば想像を絶します。
もちろん僕自身も不安に押しつぶされそうな毎日で、
何も手に付かないような気分です。
でも僕が不安で元気のない姿を見て、妻が元気になるか?
前向きになるか?ということを考え、
「絶対大丈夫!」「大丈夫や、信じよう!ちゃっちゃと治してしまおう!」
と、最初から妻に言い続けていました。
僕のその言葉と態度で、妻も幾分勇気を持てたようです。
その後手術をし、卵巣を残し子宮摘出、リンパの一部も切除し、
現在まで転移再発はありません。
困難こそ「普段気付かないことに気付かせてくれる」
よく、「大事なものは失ってからでないと気付かない」と言います。
でも当たり前ですが、失ってからでは遅いんです。
失う前に気付きたい、と誰もが思うはずです。
困難にしても、困難に遭わない方が良いに決まっています。
しかし、困難にあった時ほど普段あまり考えていない事や
物事の重要性を自然に、心の底から感じます。
人は感じてから気付きます。
「熱い!」と感じるからこそ「触っちゃいけないんだ」と気付きます。
自分自身が「辛い」「しんどい」と感じるからこそ、
その原因や理由を考え、対処していくものです。
妻の困難を誰よりも傍で見て、その艱難辛苦を共に共有し感じることで
「俺はこいつをどんなことがあっても一生支えたい」という気持ちに
気付きました。
妻も同じように感じてくれているのか、僕を心から支えてくれています。
まとめ
僕は今では家事など喜んでします。
「誰がする」とか「してくれない」とかじゃなく、
「自分の手が空いてるなら自分がやりゃいいじゃないか」
と、
「少しでも妻が楽になれば」
この2つの気持ちからか家事にたいする不満・ストレスは
ほとんどなくなりました。
今の“自分”は、割と気に入っています。
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