地域のこと~泉北ニュータウン➂~
どの地域でも“良いところ、良くないところ”はあります。
人間はわがままなので、良いところ挙げようと思えば少ないけど、
良くないところ、不満点を挙げればキリがない、ということに
なりがちです。
この泉北ニュータウンではどうでしょう。
個人的思い入れを大いに反映させながら、住民目線で書いてみようと思います。
泉北ニュータウンの抱える問題
まず第一に“住民の高齢化”です。
泉北各駅前こそマンションが林立し、僕のような比較的若い
子育て世代が多いですが、駅から離れるにつれ、街開き当初からの
一戸建て住宅が残り、そういった地域は団塊世代前後70~80代の
お年寄りが多い印象です。駅から離れた団地でも同じです。
そういった世代は買い物にも不自由し、やがてホームに入ったり
他地域に住む子供と同居したりして泉北を離れ、“プチ過疎”状態になります。
なので最近では、空いた団地の部屋を“再利用”“再活用”する取り組みが
なされてたりしています。
例えばコワーキングスペースや、惣菜店などのお店、小規模保育などがあり、
取り組みとしても面白いですし、
活性への一歩としても素晴らしいなと個人的に思っています。
自治会問題
こういった高齢者が増えることによって、個人的に一番問題と感じるのが
自治会です。
僕自身、一昨年2019年に自治会の会長をした経験から思ったのですが、
自治会役員のなり手が近い将来いなくなる、と危機感をおぼえました。
自治会や町内会の役員をやった経験のある人なら分かると思いますが、
かなり時間的にも身体的にも拘束されることが多く、大変です。
また資料作りなどもお年寄りには難しい方も多いでしょう。
相互補助しようにも、若い世代の割合が低ければかかる負担も大きくなり、
その地域に住んでいるのに、自治会には参加しない、したくないという人も
増えてくると思います。
実際、僕の実家(も泉北)エリアの自治会では建売を買って越してきた
若い家庭など、自治会の案内を送ってもほとんど無視のようです。
自治会は、共用部分の補修が必要の際は自治会費で賄ったり、
地域の清掃や防犯防災、あるいは行政からの連絡伝達など、
住民にとっては重要なものです。
マンションでさえ、管理会社へ委託していたとしても、それは基本
建物に関する管理であり、住民の暮らしに関する事は
自治会やそれに類する住民主導の組織があります。
高齢者が増えることにより起こる問題、ということは、
その地域に住む若い世代にも決して無関係ではない
自分達の問題と言えるでしょう。
泉北ニュータウンの良い点、魅力
問題ばかり述べたので最後に個人的見解による魅力などを書きたいと思います。
➀でも書きましたが、緑の多さや緑道の使用により子どもが安全に遊べるなど、
やはり小さい子どもを育てるには、総合的に見て“良い環境”だと思っています。
また駅周辺には大型スーパーや商業施設があり、食材以外、服や日用品、電化製品
など、あらゆるちょっとした買い物は全て賄えます。
あと高齢者が多いという事もあり、病院医院薬剤薬局はそこらじゅうにあり、
その点でも安心です。
まあ都会ではもっと便利ですが、「都会じゃないのに便利でしかも環境も良い」
と一言で言えばそんな感じです。
でもそれらは誰でも感じ、当たり障りなく言えるような魅力要素です。
僕個人的な感覚では、「発展」と「退廃」が同居するところに魅力を
感じます。
退廃などと言うと大げさで、またそこに住む人に怒られますが、
先の問題点でも述べたように、高齢地域の過疎エリアなどは
団地や近隣センター、公園など老朽化が著しく表れ、朽ち錆びていくような
景色が見られるところがあります。そういった場所は総じて植物の成長や広がりの
勢いが凄いのです。もう何年もすると、ラピュタの天空の城みたくなるんじゃないか
と思うくらいです。
そういった場所、建物や構造物に50年という年月を感じ、また同時に
50年前の景色の“残影”を見るようで、ノスタルジックな気分になります。
単に荒れ果てた廃墟というのではなく、今でもそこにれっきとした
「生きた生活の営みがあり」つつ、それが「繁栄発展の跡地」というのが、
時間の狭間にいるようで、何とも言えず落ち着くのです。
↑抽象的な表現ばかりですみません。
泉北ニュータウンは「オールドタウン」だという人もいます。
ですが、活性化させようと頑張って活動している人やグループもありますし、
また泉ヶ丘の近畿大学付属病院・学部の移転など、今後大いに発展するであろう
要素もあります。単にオールドタウンだと断言はできません。
が一方では明らかに衰退の一途を現在進行形でたどっている地域が
あることも事実です。
しかし、そういった栄枯盛衰表裏一体みたいな部分は、自然の流れの中で
人と街が生きてきた「結果」です。
良い点も問題点も含めた生活の息吹がリアルに感じられるところが
僕にとっての泉北ニュータウンの一番の魅力なのかもしれません。
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