ビートルズ強化週間~③

ビートルズの魅力を僕なりに語りたい、と始めたこのテーマ。
今回は魅力の1つである「曲」の「後期」について話します。
①と②は以下
https://tsumakan.blog/post-448/
https://tsumakan.blog/post-458/

曲の魅力【後期】

ビートルズの後期は、1967年ビートルズの生みの親であり「5人目のビートルズ」
とも言われた、マネージャーのブライアン・エプスタインが亡くなって以降くらいから、
というのが僕の考えです。

アルバムで言うと「ザ・ビートルズ」通称ホワイトアルバムから「アビーロード」
ラストの「レットイットビー」までの3枚を指します。※イエローサブマリンは外してます。

さて、後期はよく“メンバーがバラバラになってお互いが好きにやっていた”と言われています。
そのような面もありましたが、それはまだかろうじてビートルズという“タガ”の中で、でした。

デビュー以来、狂乱の日々から精神の救いを求めマハリシに近づき、それが夢と破れ、
またブライアン・エプスタインというビジネス面での監督者を失い、現実に引き戻され作った
『ホワイトアルバム』。
メンバーのソロの寄せ集め的に言われる場合もありますが、一概にそんなことはありません。

まず大きいのがジョージの才能開花です。
『ホワイト~』で「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」
『アビーロード』で「サムシング」「ヒア・カムズ・ザ・サン」などの、
不屈の名曲を生み出します。
因みにビートルズ解散後1970年にソロアルバム『オール・シングス・マスト・パス』という
LP3枚組、CDだと2枚組の大傑作を発表しますが、
『ホワイトアルバム』の「ロング・ロング・ロング」という曲などは『オール・シングス~』に
入っていても違和感無いような曲で、要するにこの後期頃、優れた曲をたくさん作っていたにも関わらず
アルバムでは依然として取り上げてもらえなかった、という事で、その鬱憤が結果的に
ソロアルバムで爆発し、セールス的にも大ヒットとなります。
因みに『ホワイト~』の「サボイ・トラッフル」というジョージの曲、
あまり話題にはあがりませんが、めちゃくちゃカッコいいです。

一方ジョンとポールはというと、作詞作曲アレンジなど、他のメンバーの助けを借りずとも
イメージする曲を具現化できるテクニックや発想が熟しており、
つまり一人で曲をほぼ形にするような事があり、そこがソロの寄せ集め的に
言われる所以です。
ただ、実際は担当楽器の演奏や、アイデア含め部分部分ではお互いをサポートしており、
まだ“ビートルズとして”制作をしていたのは確かです。

『ホワイトアルバム』は個人的にビートルズの全アルバム中、最も好きと言えるのですが、
ジョンの「ハッピネス・イズ・ア・ウォームガン」の様な、無理やり3つの曲を繋ぎ合わせているのに
リンゴのドラミングのおかげで自然に聞けてしまう異常な曲や、
マウスベースや自身による素晴らしいテンションのギターによる、
肩の力の抜けたポールの佳曲「アイ・ウィル」など、
『サージェント・ペパーズ~』のような練りに練られた“完璧”さはないにせよ、
一見不完全なデモのような、素のビートルズの楽曲が揃っており、何度聞いても飽きません。
ビートルズを聞き込んだ人がたどり着くのが『ホワイトアルバム』だと言うのは頷ける気がします。

因みに時系列で言うとホワイトの次が『レット・イット・ビー』ですが、こちらのセッションが
あまりに険悪だったため、一度お蔵入りになり、解散寸前までいきます。
ですが全員が「これで最後」という暗黙の認識の中、昔のように力を合わせて作られたのが、
『アビー・ロード』です。
『アビー・ロード』発表後に、お蔵入りになっていた『レット・イット・ビー』を
フィル・スペクターに再アレンジ、プロデュースしてもらい発表し、ビートルズは終焉を迎えます。

 

曲の魅力を文字で伝えるのは難しいですね。
あまりにも素晴らしい曲が多すぎて、1曲1曲を取り上げればきりがありません。
ただ、「ビートルズに興味があるけどどれから聞いたらいいか分からない」という方には、
初期→後期→中期の順、
アルバムだと、
『ア・ハード・デイズ・ナイト』→初期の他作品

『アビー・ロード』→『レット・イット・ビー』→『ホワイトアルバム』

『サージェント・ペパーズ~』→中期の他作品

この流れで聞くと取っつきやすいかもしれません。
ある程度聞き込み、ハマったようであれば改めて時系列順で聞いていくと、
その変遷をより楽しめるんじゃないかなと思います。