心を豊かにするもの ~音楽④~
③で終わりにするつもりが、長くなってしまい今回の④に続きます。
今回でひとまず終われるようにしたいと思います。
サンバ・ボサノヴァ
「ジョアンジルベルト/スタン・ゲッツ~ゲッツジルベルト」
ボサノヴァの生き字引ジョアンジルベルトと、ジャズサックスプレイヤーのスタンゲッツ
の両名アルバム。ボサノヴァと言えばこのアルバムというくらい名盤中の名盤です。
「カルト―ラ~人生は風車・沈黙のバラ」
ボサノヴァの歴史は意外に浅く、1960年以降で隆興した音楽と言えます。それまでにあった
ブラジルの音楽ショーロやサンバは素朴ですが胸に響く旋律とブラジル特有の体が動くリズムがあり、
とても魅力的です。中でもカルト―ラはメロディセンスが飛びぬけています。
「エリゼッチカルドーゾ&シロモンテイロ~Bossa Eterna De Elizeth E Ciro」
エリゼッチカルドーゾはサンバの女王であり、彼女の歌声と初期サンバの切ない旋律は
感動的です。このアルバムはシロモンテイロとの両名アルバムで、どちらかというと
「陽」としてのサンバの魅力が凝縮されたような作品です。
ラテン・サルサ
「エディパルミエリ~ザサンオブラテンミュージック」
エディパルミエリはラテンにジャズの要素を取り入れ、またラテンをワールドワイドに
広めた人物です。そんな功績もさることながら、やはり彼の熱いピアノと作曲家としての
才能は、他の追随を許さないと思っています。
「ウィリーコロン~ファンタスマス」
ウィリーコロンはサルサ~ラテンのトロンボーン奏者であり、作曲家、アーティストとして
アメリカを通じ、サルサを世界に拡げた、やはり功労者の1人です。このアルバムは娘を
無くした直後に作られ、その心情の現れとして全体に「暗い」ですが、1曲1曲は粒だって
素晴らしいです。
「ブエナビスタソシアルクラブ」
ベタですが最後に入れておきます。ライクーダーがキューバの忘れ去られた老ミュージシャン
達を集め、作り上げた映画で、そのサントラです。こちらきっかけに、ピアノのルベンゴンザレス、
ボーカルのイブライムフェレールのアルバムを聞いていくとよりサルサの魅力を知れます。
キリが無いので最後にジャンル関係なく、僕のフェイバリットアルバムの1部を
ご紹介します。
「スティービーワンダー~トーキングブック」
こちらと、この後のアルバム「インナービジョン」はスティービー作品中、最も優れています。
この頃彼は1日に数百曲作ってたなどのエピソードがあるほど、創作意欲が爆発していた、
最もクリエイティビティな時期に作られたアルバムです。
「ライクーダー~ジャズ」
スライドギターの名手ライクーダーの作品。ジャズとありますが、ジャズ創成期の最も初期の
ジャズをライなりにアレンジし表現されたもので、ライのアメリカンミュージックへの愛情と
造詣の深さが分かります。
「ウォー~ライブ」
ファンクとラテンをミックスさせ、白人のハーピスト(ハーモニカ)リーオスカーも絡み、
唯一無二の音楽を奏でています。ウォーも大好きでスタジオアルバムも全て良いですが、
このライブはファンクのライブアルバムとして最も好きなものの1つです。
「ドナルドフェイゲン~ザナイトフライ」
この世の全ての音楽の中でも上位3番の中に入るほど好きなアルバム。
ロックなのにポップでジャジー、キャッチ―なメロディと複雑なコード。
全ポピュラー音楽史の中でもこれほど完璧に優れた作品は無いのではと思うほど。
「はっぴいえんど~風街ろまん」
この4人が造る音楽は、1970年にすでに日本のロックという枠を飛び越えていました。
アメリカンルーツミュージックに影響を受けた上で、キャッチ―なメロディと
日本の文学的歌詞。曲の素晴らしさだけではなく、バックボーンの偉大さも知るべきです。
「細野晴臣~泰安洋行」
細野さんはどうしたらこんなにマニアックなジャンルの音楽をここまでポップな
曲に仕上げてしまうのだろう?と純粋に疑問が湧くほど、素晴らしいアルバムです。
もはやジャンルの概念は通用せず、「環太平洋ごった煮サウンド」を、ロックという
くくりで料理しました、といった感があります。いわゆるトロピカル3部作の2番目。
ほんとにキリがないのでこれくらいにします。
心を豊かにする音楽 ~総論~
総論もクソもないですが笑
「音楽」と「匂い」は記憶を瞬時に呼び覚まします。
ある音楽を聴いて、その音楽が胸の奥深くに眠っていた昔の記憶を
連れてきたことはありませんか?
それは音楽というものが、人間の根源的な部分と共振するものだという
証拠だと思うんです。
僕は例えば車の中で、夏の海岸沿いをドライブする時に聞くアルバム、
京都を走る時に聞く作品、夜に聞くアルバム何枚か、など
シチュエーションによって聞く音楽の好みなどがあります。
その好みは、結局心が求め判断している事です。
その他にも、テンションが上がる曲、落ち込んだ時に聞く曲、
雨の日に聞きたくなる曲etc.皆さんにも色々とあると思います。
「心が豊かになる音楽」とは別に“良くなる事”だけではなく、
聞く者の心になんらかの作用を働きかけ、それが記憶として刻まれる、
そんなものなのかもしれません。
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